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プロジェクトマネジャー育成研修

背 景
社内管理者が作った従来の技術研修は内容が古い、受講生の評判も悪い、社外講師の教え方もマンネリ化ぎみ、十数年前から導入している大手研修会社のヒューマン系研修は費用が高い割に研修効果がはっきり見えていないなど多くの問題があり、会社としては従来の研修全体を抜本的に見直して本当に投資効果の出るような研修体系の構築が急務であった。

課 題
研修日数を短縮し、受講する技術者たちが現場を離れる日を最小限にできないか。
技術研修を世界標準のPMBOKに照らした最新の内容にできないか。
研修で学んだはずのスキルが確かに現場で使われているのか、スキル習得度などの成果測定ができないか。
同一会社の一貫したコンセプトで、かつ技術とヒューマンスキルの両方を組み合わせた研修を実施できないか。

HRD研究所からの提案による研修導入のメリット
  • A社の育成コースの内容を整理/分類し、不要なものを取り除かれ、最新情報を補強して最新の研修体系にできた。
  • 従来の知識ベース研修の後に対人スキル研修をうまく組み合わせ、より実践的なリーダー育成研修にできた。
  • 技術研修11日と別会社による対人スキル研修5日の計16日間を12日間に短縮できた。
  • 各ステップ毎に1日フォロー研修を行い、研修の有効性の評価と現場定着を図れた。
  • 事前学習によって、自己責任意識が高まり、研修開始時に受講者の知識ベースが統一できた。
  • PMP資格取得のための外部受講35時間が十分満たされた。

研修内容
1)研修方針
  • プロジェクトマネジメント知識体系(PMBOK)がしっかり修得できる研修とする
  • 活発なクラス討議などで意見や経験を交換する参加型の活き活きした研修とする
2)研修全体の流れ(集合研修の1ヶ月前に図書を入手)


事前に行なうこと:
  1. 課題図書(「PMプロジェクトマネジメント」中嶋秀隆著)を個人的に読む。
  2. 上司へのレポート提出
    (研修受講の動機と意欲を上司に報告。上司が承認すればステップ1受講が認可される)

Step 1
PM基礎(PMBOKベース)2日研修
(目的)

業界標準のプロジェクトマネジメントの知識体系を理解(共通語の理解)

(メリット)
  • 基礎を理解することでマネジャーとして、自身のスキルアップを図ることができる。
  • サブリーダーやメンバーはPMの視点を持ってプロジェクトに参加できるようになる。
  • プロジェクトマネジメントの全体理解はメンバーがどの様に行動すべきかの理解につながる。
  1. 研修前の知識テスト 
  2. 研修(PMBOK概要、ケーススタディ、演習)
  3. 研修後の知識テスト
対人スキル1日研修
  1. 情報認識
  2. コミュニケーション
  3. 現場への活動計画作成
フォロー1日研修
  1. 結果報告に基づく討議
  2. インタビュースキルの習得とロールプレイ

Step 2
疑似体験(アルテミス社のシミュレーションソフト)2日研修
(目的)

まだ一度もプロジェクトマネジメントを経験したことの無いメンバーに擬似体験をしてもらう。

(メリット)
  • 800の成功事例によるマネジメント・ノウハウを集約したシミュレーター。
  • 短期間で的確な、スキルトレーニング。
  • PMIの承認を受けており、仮想ITプロジェクトのプロジェクトマネジャーとして、スケジュール、コストや品質を監視しながらプロジェクトを成功裡に終結させるため、計画立案、運営シミュレーションを行える。

対人スキル2日研修
  1. リーダーシップとコーチングスキル
  2. コーチング(テーマの明確化とフィードバックのR/P)
  3. 活動計画作成

フォロー1日研修(活動結果の報告と強化)
  • 会議の効果的運営のスキル習得と効果的な会議運営のR/P

Step 3
対人スキル2日研修
  1. 交渉力スキル(顧客・上司・協力会社との関係で)
  2. 信頼関係の構築と維持
  3. 活動計画作成
 

フォロー1日研修(活動結果の報告と強化)
  • 汚い手口への対処の仕方(R/P)

2004年度実施計画
  • ステップ1を4サイクル→ステップ2を3サイクル→ステップ3を1サイクル計画し、実施された。

成果報告
一連の研修は受講生から高い評価を受けた。“PMBOKについての知識は断片的だった。プロジェクトマネジャーまたサブリーダーとしてもっと前にこのような研修で受けていればプロジェクトはスムーズに進んだだろう”が代表的なコメントだった。

受講生からのコメント:PMBOK

「計画段階に考えるべきことが非常に多いことに気づいた。今後のリスク軽減に役立てたい」
「WBSやEVMの手法は機会があれば積極的に活用したい。グループ討議が多く他の人の意見が新鮮だった」
「現在のプロジェクトで使ってみたい。耳の痛い話が多数ありました。実務の話と絡めて話していただいたのが良かった」

受講生からのコメント:情報認識とコミュニケーション

「PJ内の不満に対しどのような対応を取ったらいいか良く理解でき勉強になった。お客様ヒアリングで役立てたい」
「相手にとって失礼と取られかねない態度が問題。本人の意思は無関係と言うのが印象に残った。気をつけたい」

企業担当者からのコメント:

「受講生からのアンケートでも評価が非常に高く、満足している。企画する側として従来と違った育成への真剣さが各部署や受講生に浸透してきた。従来業務都合で急に研修に出席できない場合も多かったが上司からの励ましと本人の自覚が強まり意欲的な受講態度に変わってきた。今後も今回の新しい育成計画を定着させてIT業界での活躍を促進させていきたい。研修体系を新しくし、研修効果が測れるように出来て大変満足している」という内容だった。


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